
ここ最近の自分にとってのマイブームはAI生成。
最初のころは様子見でそんなんがあるだなぁ、、、カスタムキャストみたいなもんかな?と思っていたくらいだけど、キッカケは写真をイラスト化するサービスがでてからというもの。
問題は著作権ワレワレノモノダ云々の話題がでてきたので、さすが見過ごすこともできず、まずはウチのマスクの写真を使うのは待ってとツィートでお気持ちの表明。(現在はフル許可しています)
そもそもAI生成絵ってなんだ?と山のモノか海のものかわからないものを脊髄反射的にダメというのもなんなので、早速 novelai のアカウントを作成。いくつかのサイトを見てプロンプトを並べる。
一言いって、おお。すげぇ。
はい。時間泥棒されました。年末年始はもうずっとコレ。
数年ぶりのマイブーム。調査をするために始めてみたらミイラ取りがミイラになっちまった。
けど、マイナーなプロンプトを投げ込むほど、あれ?と不思議に思うのがいくつか。例えばロング手袋にブレスレットを合わせるとなぜかブレスレットの周りが肌色に戻ったりとなんとなく構造がパーツパーツの組み合わせ?と感じてしまう。あれなのかな? 学習という絵の一部を切り出して、組み合わせてるのかなとも思ったのです。
次はざっくり原理の調査。そこでDiffusion Modelを知るわけだ。ノイズから絵を組み立てていく仕組みとわかったもんで、ああ、これ、著作権はもう手も足もないレベルだとわかる。そもそも著作権侵害とは、「依拠」が論点。実際、
- 著作物であるのか (服とかはダメ)
- その著作した物的証拠はあるのか
- 依拠しているのか、その証拠はあるのか
と法廷では争われるパターン。
そもそも1,2,はすでにガチガチに証拠をそろえているトコロが法廷で訴えるのでさておき、3.の依拠が常に論点になるわけなんです。そう考えるとAI生成の仕組みを見ると、依拠を無理やり突っ込ませるのは、現状少なくてもウチでは不可能と判断したわけで、フル許可の方向になったわけです。
それにしても面白いなAI生成。
novelaiはネットのサービスだけど、もっとも元になったソフトウェア、stable diffusion(略してSD)というものを知り、自分のマシンにもインストールしてみる。本来はlinuxプラットフォームだけど、windowsでも動かしやすく編集した人もいるのでありがたくインストールさせていただく。パイソンとかgitとかwindowsに入れるのは初めてだな。
で、出力したAI絵が右上のバニーガールである。
AI生成にはstepsという概念があるんだけど1step,2stepと眺めていくと超抽象画ノイズからだんだんと目的の絵になっていくのが面白い。
AI絵と著作権
まず、日本国内の著作権法は、AI学習に著作権がある絵を使用することにおいて許可されていること。2018年の著作権改正にて、そうなってしまったこと。詳しくはこちらのサイトが詳しい。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2209/08/news054.html
おそらく、google等の検索エンジンにて日本は1にも2にも後れを取ってしまったため、フルオープンにしてしまったのかもしれない。とはいえ、そんなんでクリエイター側の感情的には納得できるわけがないわけで。でもこれってなにも日本だけでなく世界中で議論を醸し出している。今後変わる可能性はありそうね。
次にプロンプトから出力したAI絵は著作権として主張できるか、であるが、これは明確に結論が出ている。
AI絵は「著作権は存在しない」。
具体的には著作権法第二条の1、「著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」と明記されているのである。機会が絵を描くことには思想や感情が込められていない、だから著作物として認められないというわけである。これについては国でもいろいろと検討はしている文書が参考になる。特に11ページを一読していただきたい。2016年と少し前の資料であるが、まだ有効と考えられる。
しかしながら、プロンプト(いわゆる呪文)に著作権は存在しないかといえば、現状では難しいかもしれないけど、将来マクロ機能とか構文などができて複雑な表現が記述できるようになると、いわゆるプログラム文書として著作権が発生するのではないかと考えている。またプロンプトが複雑化することよって思想感情が込められた構文をつくることにより、「道具としてAI生成器を使用した」として著作権が発生するかもしれないと考える。
また、数千枚の絵を出力、その中で数枚をチョイスしたいえばこれは編集著作権が発生する。なので無条件に著作権はないというのは難しくなりそう。
AI生成のビジネス
stable diffusion はオープンソースのソフトウェアな上にサーバ構築の知識があればなんらかのサービスができそうである。もっともGPUのRAMを大量に要求するため、その部分だけが一筋縄ではいかないとは思うけど。
ここまで簡単な仕組みで公開されているとアマチュアでもお手軽にサービスが提供できそうなため、2023年はいろいろなサービスが生まれるかもね。
ウチの場合はとりあえず、サイトの挿絵に使うところから、かなぁ。
あやめすたーの考えは
具体的にはこんな感じ。
- AI学習に使われるのは、まぁ、しょうがないかという感じ。学習につかわれたとしても学習されたモデルに明確な痕跡が残らないし、法的にも依拠を指摘することは現状無理。
- AIに出力された絵については著作権は主張しない(存在しない)。
- せっかくオープンソースがあるので、なんかサービスを提供したいなぁ
- とりま、webの挿絵に使っていきたい